(前回のあらすじ)
現在、『人妻城』、『人妻援護会』といったブランドのフランチャイズや、生理女子専門デリヘル『月経仮面』といったオリジナルブランドの両方を手掛けているK氏。約9年前にオープンした際に業界を震撼させたと噂のアノお店は、いかに誕生したのか?ニッチな世界でも勝機はあるのか?今回はその点を伺ってみました。
前回の記事はこちら【フランチャイズの利点はブランド力に頼れること】
「もったいないなぁ」という気持ちがアノ名店のキッカケ
―――これからデリヘルを開業するにあたって、野心が大きい人だと「自分でイチから始める!」という感じです。しかしフランチャイズですと、また人の下に入って……ということなので、抵抗があって敬遠されますが……。
(K氏)わかります。たしかに独立心が大きい人はそう思うでしょう。それでも、最低限のサポートがあるということはフランチャイズの良いところですよ、絶対に。ただ、儲かるか否かはその人次第ですよ。大きなグループの傘下になっても必ずうまくいくとは限りません。それでもスキルを磨くことはできますし、やる気次第でどうにでもなると思います。オリジナルブランドだけでの成功率よりは、培ってきたブランド力があるフランチャイズは大きいですよ。
―――そのような中で、Kさんが立ち上げた独自ブランドの『月経仮面』が話題になっています。正直なことを言いますと、あまりにもニッチな世界ですが(笑)立ち上げの経緯は?
(K氏)そうですね……業界の右も左も分からずにこの仕事を始めて、1、2年経過した頃だったと思います。仕事に慣れてくると、気持ちに余裕が出てきますよね?そんな時に誰もがやったことのない領域に足を踏み入れてみたくなって、いろいろ考えるようになりました。それでなんとなくなのですが、業務に携わっている中で予約が何本も入るキャストさんでも、生理中は仕事が出来なくてもったいないなと。この単純な発想ですけど、それが逆転の発想になって思い浮かんだのが『月経仮面』です。普通でしたら他人がやりたがらない領域のお店を作ってみてはどうかと?そんな考えがフと降りてきたんですよね……。それがキッカケです。
―――業界が震撼しましたから、オープン時には……。
(K氏)まぁ、そうでしょうね(笑)だって、オープン前のことですけど、当時いろいろな人に『月経仮面』のコンセプトを話すと、10人中10人が「そんなの上手くいくわけないだろ!」って一蹴されましから。それでも自分の中の閃きでしたから、そこを信じて……という感じでした。
「どこにも無い」にチャンスは転がっているかも
―――そのモチベーションの源は?
(K氏)どこにもそんな店が無いからチャンスはあるのではないか?そういうことに加えて、「やってみなきゃわからないじゃないか!」という自分のチャレンジスピリッツですね。それでオープンしてから約10年ですから……。類を見ない店舗ですから、求人合戦では競合がいないという点も強みだと正直、思います。
―――やはり、どうしても働きたいのに生理でどうしても働けない……そんな女性の受け皿になったのが大きかったですか?
(K氏)そうですね。ですから、女のコが出勤したら、どれだけ稼がせることができるか?同時にフェチ度がかなり高いので、どのようにユーザーさんを増やしていくかは、今でも課題になっています。その点は甘くないです。それでも、他社さんがやっていないことをやっているということは、最大の武器でもあると思います。そして、生理休暇という副産物が、うちの会社が今までやって来た原動力の一つになっていることは確かです。
―――これからデリヘルを開業したいと思っている人にとって重要になってくるものは何でしょう?
(K氏)いかに“人”が集まるかどうか、でしょう。お客様が集まるか?キャストさんが集まるか?その二本柱をいかに集まるように考えることが大切です。でも、それは当たり前なことで、それを実現するためのしっかりとした勝算を持って臨めるか否かです。予算も昔みたいに200万円、300万円でうまくいく時代ではないので、しっかりと資金と長期展望を持って……。やはり、お金は大事です。ン百万円単位となると大金です。それでも消える時は一瞬ですから。
―――だから3ヶ月ともたないで閉店していくデリヘルが多いですよね。
(K氏)別に焦る必要はないと思うんですよ、私は。だから修業を積んで、勝機を見極めるまで焦らずに「ここだ!」というタイミングでオープンする方が堅実です。経験を積んで、その中で人脈を作ったうえでのタイミングが勝利への道筋ではないでしょうか。
―――なるほど。本日はありがとうございました。