(前回のあらすじ)
全国で10店舗を展開するデリヘル『人妻楼』グループ。このグループの経営者であるY氏はキャバクラでのバイトをはじめ、さまざまな経験をして風俗業界に辿り着いた人物である。今回は経営者としての理念・信念。そして、昨年、ついに進出した東京での展開などについてお話を伺ってみました。
前回の記事はこちら【地方都市でウケる要因の一つ…それは〇〇発!?】
引き継いだ名店への目標は全盛期を超えること!
―――現在、『人妻楼』グループはフランチャイズを含めて10店舗を展開されています。Yさんが常に心掛けていることはありますか?
(Y氏)そうですね~……風俗に関するステレオタイプな負のイメージってあるじゃないですか?たとえば、恐い人が運営しているとか。そういうことを一切やらないことです。法人組織として、ちゃんとスーツを着て、ちゃんと綺麗なオフィスで仕事をする……そういうところを心掛けて運営してきました。働く人、利用されるお客様が「ここのグループは大丈夫なんだ」と思っていただけるようなブランディング的なものを常に心がけてきています。地味なことではありますが、それをコツコツと……。ただ、そのコツコツは良いのか悪いのか、その結果が出るのは“これから”だと思います。
―――『人妻楼』グループとしては10店舗となりましたが、エリア選びでの見極め方はありますか?
(Y氏)僕自身の中ではフランチャイズというよりも連合体という感じなんですよ。地元の方が地元で運営されているということで、「お互いに足を引っ張ることはやらない」ということだけを守っていただければ、あとは任意ということ位ですかね。いろいろなエリアでブランドを展開するのはスケールメリットが大きいですから。
―――そして、昨年末に東京進出となりました。
(Y氏)進出、になるのかな?(笑)まぁ、『デザインプリズム』というお店を弊社で運営する機会に恵まれまして。たまたまの連続だったんですよ、この件は。たまたま前任者の方が経営を引き継ぐ人を探されていて。たまたま僕の知り合いが「誰かいないか?」と探していて……という感じです。
―――『デザインプリズム』はネームバリューもありますし、引き継ぐことのプレッシャーはありませんでしたか? 逆に「こうしたい!」という展開案はありますか?
(Y氏)プレッシャーは一切無いです。「こうしたい!」という点では全盛期を超えることですね。自分が引き継いで、あらゆる面が縮小してしまったということにはしたくないですから。ただし、「そのためには……」という点では地道にやっていくことはたくさんありますけど、それすら楽しみですね!
勝算が必要。強いのは「何か」を探す力
―――今後、Yさんのように業界で働きたい人へのアドバイスはありますか?
(Y氏)立場上何人もそういう人を見てきましたけど、少し業界を甘く見てるのではないか?そんな人が少なくないですよね。ラクして稼げるんじゃないかと思っている人が多いかな。あとは、「俺ならばできる!」と自分の実力を3割増しで査定している人とか。そういう人に限ってスグに辞めていく人が多いです。ちゃんとした勝算を持って入ってこないと、中途半端な考えでは時間とお金の無駄にしかなりませんよ。僕も『人妻楼』の前身のお店は大手グループの人妻店が、そのエリアには無かったという隙間……それが勝算でしたし、そういう何かを探す力を持っていると強いんじゃないかな?
―――人とは違う何かを磨くことが重要だと?
(Y氏)そうですけど……それが万人に受け入れられないと商売にはならないわけで。その見極め方のバランスをいかに持つかですよね。まぁ、それができればどんな商売でも成功しますけど(笑)でも、デリヘルだってそれは同じですよ。
―――他人とは違う何かを磨くにあたってYさんは何かしてきましたか?
(Y氏)う~ん……気付けば人と違ってた、という感じですかね。それは好みの問題や、物事の対処の仕方とか。だからといって、変人を目指しているというわけではなく、共感者が少なくても貫くというんですかね?上手く伝わりませんけど……。
―――知りたくなったらYさんのもとで働いてみましょうと?(笑)
(Y氏)そうですね(笑)センスもありますけど、嗅覚が一番大切じゃないですか?僕自身、これまでにいろいろとやって来たけれど、億万長者になるような大当たりはしたことないです。野球でいったら、満塁ホームランではなく、ヒットを重ねてきたようなものです。いや、バントを重ねているようなものかな(笑)ただ、大振りできるような球が来るのは、ずっと待っていますね。それを見逃さないようにセンスを磨くというか。そうすると打てる確率も上がってきますし、次へつながる可能性も高くなりますから……と言って自分を正当化します(笑)
―――なるほど~(笑)。それでは最後にYさんのこれからしていきたいことは?
(Y氏)まず、『デザインプリズム』をさらに上に押し上げること。これは全部のお店にいえることですけど、今よりも大きくすること。それと、せっかく東京進出という足掛かりをつかみましたから、何か尖ったコンセプトのお店にも挑戦したいですね。そして、将来的には頑張っている人に一社、一社、引き継いでいけたらいいなと思っています。
―――『デザインプリズム』をはじめ、今後の展開がますます楽しみですね! 本日はどうもありがとうございました。