都心の風俗街でよく見かけるホテヘルブースとは?

デリヘルオープン準備

風俗店には様々な業態が存在します。店舗型ヘルス(いわゆる箱ヘル)、ホテルヘルス、デリバリーヘルス、ピンクサロン等々。これらの中でも、他の業態に比べ特殊といえるのがホテルヘルス(以下ホテヘル)です。ホテヘルは、風営法の定めにおいて、キャストがお客様にサービスを行うプレイルームを持つことが出来ません。しかし、受付窓口を開設し来店したお客様と対面で営業を行うことが出来ます。また、ホテヘルの中でも、「ホテヘルブース」という、さらに特殊な営業を行っている店舗があります。「ホテヘルブース」は主に東京の都心部で見られる業態です。今回は「ホテヘルブース」についてご紹介します。

ホテヘルとは?

改めてホテヘルについて定義すれば、店舗型ヘルス(箱ヘル)とデリバリーヘルス(デリヘル)の中間のような「プレイルームは持つことが出来ない(条例違反)が、受付業務はしても構わない」という業態です。詳しくは、下記の過去記事を参照ください。
ホテルヘルスってどんな風俗?

[ジャンルを学ぶVol.5]ホテルヘルスってどんな風俗?

こちらの記事にもある通り、デリヘルに比べホテヘルには様々なメリットがあります。風営法が改正される以前の(旧来の)店舗型風俗店経営を経験した方は、対面で接客をする営業手法に慣れているため、いまでも新規出店が難しいホテルヘルスの営業権を探されることが多いようです。

ホテヘルブースとは

ホテヘルブースとはどのようなものか。通常のホテルヘルスとは異なり、1つの受付所に複数店舗が混在しているものを指します。つまり、1つの受付所(部屋)をパーテーションやカーテンで仕切り、1区画ごとに異なった店舗が受付業務を行うものです。

このホテヘルブースの最大のメリットは、経費の削減です。例えば家賃30万円の物件を賃貸して受付所として使用すれば、ひと月30万円の経費がかかりますが、3店舗で分割すれば1店舗10万円に減額されます。また、初期費用も同じく分割、もしくは保証金のみといったように、経費を抑えることも可能です。経費削減以外のメリットとしては、他店で遊べなかったお客様が、手近なお店を利用しようと流れてくることもあります。

ホテヘルブースの届出確認書については、1人の経営者もしくは1つの運営会社の名義に複数の店舗が存在する形式になります。ホテヘルもデリヘルと同様、届出確認書上は無店舗型営業となるため、1枚の届出確認書に複数の「店名」もしくは「ブランド名」が存在していても問題はありません。

ただし、ここで1つ重要な注意点があります。名義人(もしくは名義会社)が実際の運営に全く携わらない、所謂「名義貸し」の行為は条例違反となり、条例違反とみなされれば摘発の対象となるため注意が必要です。

ホテヘルブースのデメリット

ホテヘルブースのデメリットには、先ほど記載した「名義貸し」による摘発の恐れの他にも、いくつかあります。まず、1区画が極端に狭い為、営業情報が漏れやすいのです。来客数も同じフロア内では丸見えですし、売上もほとんど丸見えといっていいでしょう。

また、他の店舗スタッフの手前、キャストとのコミュニケーションがとりづらく、店舗外でコミュニケーションを取ることも受付業務のためにブースを空けられず、難しいのです。そして、ホテヘルブースの最大のデメリットは、1つの届出確認書内に複数店舗が混在している為、いずれかの店舗が違法行為をした場合、届出確認書内の全ての店舗に影響が出てしまうということです。

例えば、ある店舗が未成年を雇用してしまい、届出確認書が取り消し処分となった場合、他の店舗も当然営業できなくなります。また、新規届け出もできないため、一度失効してしまった場合、二度と復活させることはできません。例えば名義人の方が亡くなってしまった場合も、名義人の変更ができない為、失効してしまいます。(法人の場合は異なる場合もあります)

このように、ホテルブースを利用したホテヘルにおいては、「届出確認書上にある複数店舗の中の1店舗」となるため、「完全に独立した自分のお店」とは言えないでしょう。数年経ってお店の経営が軌道に乗り、充分な利益が出るようになったにも関わらず、名義人と折り合いがつかなくなり、屋号を届出上から外され、実質閉店となってしまったケースもあるのです。

まとめ

このように、ホテヘルブースでの出店にはメリット・デメリットがあります。とはいえ、人手もあまりかからないホテヘルの経営には、魅力もあります。ホテヘル経営のチャンスが巡ってきた際には、これらのリスクを踏まえじっくり検討することが必要です。事前の知識や情報が十分でなく手を出してしまうと、大きな損失につながるだけでなく、条例違反などで逮捕されてしまう場合もあるのです。