[業界トピックスVol.11]風俗専門の行政書士 渡辺人支氏インタビュー#2

業界トピックス

前回は風俗専門の行政書士「渡辺人支事務所」所長・渡辺人支氏をお招きし、風俗専門の行政書士とはどんな職業か、デリヘル許可申請のノウハウについてお伺いしました。今回は風俗専門の行政書士から見たコロナ禍における変化とデリヘル成功の秘訣についてお伺いしました。

前回の記事はこちら【渡辺人支氏インタビュー#1】

コロナ禍における変化 変わった部分変わらなかった部分

―――コロナ禍の2年を経て性風俗も含めた風俗業界に何か変化はありましたか

(渡辺氏)キャバクラの話もあったので飲み屋さん系風営店のお話しをしますと、世間で思われているほど減っておらず、逆に新規出店が増えています。2年前の4月5月の第一波だと世間も怖がってしまって出歩かないとか、私の事務所でも在宅勤務が主のような状態になりました

それ以降は政府の助成金が相当出ましたので、従業員さんが少ない規模のお店さんであればそれで充分店舗を維持することができました。そのため撤退する人も出てこないので却って店舗の空き箱が出ないという状況がコロナ下でずいぶん続いています。

しかしながらデリヘルに関して言えば、本当に深刻なところも結構ありましたね。弊所は基本的にはコロナ関係助成金には手を出さないスタンスだったのですが、ご相談には乗っていて「ついにこの人たちもやめてしまのか・・・」っていうのはありました。

 飲食系風営店でも銀座だけは去年の11月までは壊滅的でした。もうそろそろ1年経ちますが、去年の11月までは銀座で飲むこと自体が許されないという状況でしたから。その後しばらくは21時までの営業に限られるという時期が続きました。それ以外のエリアでは全く変わってしまいました。飲食系風営店はかなり早い時期に回復してきました。例えば郊外の北千住だとか竹ノ塚あたりからだんだん中心の方へ回復してきて、キャバクラ系はかなり回復が早かったです。

―――このコロナ禍、行政書士としての受注件数はどのように変化しましたか

(渡辺氏)飲み屋さん系を中心に考えると一時的には新規出店が減った時期もありますが、それでもかなり早く持ち直しました。性風俗系に関して言うと、さすがに新規出店はかなり減った感じがあります。「性的好奇心に応じて身体に「接触する」営業・行為をする、これは激減したと思います。

―――変更や追加はどうですか?

(渡辺氏)事務所の追加だとか呼称の変更・追加だとか、小さなことでもお呼びがかかるとまだここは元気だなと思いますし、そういう意味では自分が驚くくらい元気のいいところもありました。逆にここも終わってしまったんだなと思うところもありましたし。そう感じたのは第一波の後から第二波だった気がします。第三から四波以降は世の中も慣れてしまった感じがしました。

例えばデリヘルをよく利用する人が耐え切れずに呼んでしまって、もうもとに戻れなくなるような感じです。だからといって続けられるのは、元々やっていてもちこたえた人ですから。全くサラの人が進出する状況まではさすがになりませんでした。

デリヘル開業には割り切りと覚悟が必要

―――あと最後にこれからデリヘルを開業しようとする方に向けアドバイスがあればお願いします。

(渡辺氏)雇っている女の子を尊敬していること、好きでもない男性に対して性的サービスをやってくれて、自分たちはその上前をはねて生きているのだと話す会長さんはさすがだなと思いました。これは女の子が好きだから、などの発想でやるのとは対極です。

 あとは割り切りです。デリヘルもですけど、後ろめたさを持っている人はいずれいなくなる。悪いことをしているとかではなく、風俗営業が嫌だというか、自分で風俗営業と言いたくないとか。例えばナイト系で、キャバクラで大成功している人が20~30店舗を超えるくらいになってくると、カフェレストランのようなお店をやりたがる傾向があります。そしてそちらの方をグループの前面に押し出したり・・・。

ナイトの飲み屋さんというと社会的に尊敬されないとか、自分からいいと言えないとか、そういう思い込みがあると普通飲食店系に注力して前面に出すようになってしまうとはいえグループの収益の根本を支えているのは結局ナイトなので、ナイト系の従業員からの信頼を失ってしまうようになります。

男性スタッフが離れていくというのは非常に大きいです優秀な男性スタッフがグループ内で立ち位置に満足できずに消えてしまったというのをいくつも見ています。同じようにデリヘルで結構うまくいっていたのだけれども、試行錯誤を重ねながら他の業態に移行していった人もいます。しかし、その先で成功したかというと難しい場合も多いです。

 例えば飲食店であれば、ラーメン屋さんは低資本で簡単に参入できるけれど生き残るのはそう簡単ではありません。ましてやイタリアンだ、フレンチだ、カフェだとかになると名の通ったオーナーシェフだとか、そういう人がやのでもなければそう簡単に成功するのは難しいでしょう。某大手企業もいろいろな業態の飲食店をどんどん開発してどんどん出し続けていますけど、流行ったものは廃れていくのを判ったうえで撤退するものはどんどん撤退し、常に新業態を模索し続けています。

 一方、女性を使うナイトの業態は普通飲食よりは当たりやすいですよね。当然シェフも要らないし、キッチンも要らない。女性が稼ぐので、粗利がすごく大きいです。儲かるからやっているんですね。ただそれをするためにはリスクがあります。飲食、風営店に限らずどんなビジネス・投資の話でも、儲かりやすい話にはリスクがある。風俗営業であれば法の規制があります。それを外せば警察による取り締まりということになります。

儲かると思ったビジネスにはどういうリスクがあるのか、それを自らが取る覚悟があるのか?それを考えずに入ってくる人もいます。そういう人は、許認可行政サイドが求める誓約書等も腹が据わっていないから、書きたくない書けない、なんて。ということはその違法行為をするのか?ってことですよね。

成功した人って、その前に反対の経験をたくさんしているのです。風営でいえば警察のお世話になった経験も含めて。そういった中で20代とか30代を過ごして成功しているんです。儲けやすいからやる、儲けやすいことにリスクがある、リスクが怖いと言ったらビジネスにならない。「リスクを取る」というのは法を犯すということではないです。法規制はわきまえ、無用なリスクは犯さないようにするその中で主収益があがるようにビジネスモデルを作る努力をする、ということです。

「そんなの大丈夫」「今まで大丈夫だった」「誰でもやっている」「みんな大丈夫だと言っている」よく聞く言葉ですが成功者はそんなことは言いません。開店希望の方はそういって欲しいかもしれませんが、私の事務所もダメなものはダメ、NGはNGとはっきりお伝えします。

―――かしこまりました。本日はお忙しい中お時間いただきありがとうございました。

『行政書士渡辺人支事務所』 渡辺氏

風俗営業の許可申請を専門とし、確実な申請・届出、誤りの無い営業アドバイスをモットーにする行政書士事務所。今までに風俗営業を専門に3000件以上の申請実績を元に関東エリアを中心に活動している。風俗営業の開業は面倒なことも多い為「どこよりも早く、確実に申請業務を行う」その姿勢は多くの風俗経営者に支持されている。

『行政書士渡辺人支事務所』
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