どれだけの覚悟を持てるか？
―――デリヘル運営は常に表裏一体というか……。
（黒川氏）そうです、そうです。だけど、地方でデリヘルを運営するにあたっての一番のデメリットは『地元の女のコの知人バレ』ですよ。小さなエリアほど、そのリスクが高くなります。これは仕方のないことです。しかしそれで、対策として顔出しをしなくなると…その露出の少なさによって、今度はユーザーさんのお店への興味が薄れますし。だからといって「大丈夫だから！」とごまかしたことを言って、ボカシを薄くして身バレしたらどうなります？もうその女のコは、デリヘルでは働かないですよね？そんな悪循環が起こるというジレンマが一番のデメリットかも。
―――まさに表裏一体ですね。それではキャストさんやスタッフさんに対して、気にしているところは何ですか？
（黒川氏）スタッフに対しては売り上げが悪い時ほど、キャストさんには気を使って接してください、ということかな。次に出勤する時に、彼女たちが気持ちよく働ける環境作りですよね。たとえばドライバーさんは、キャストさんにストレスを与えるような運転や言動を起こさないようにさせるとか。「売り上げを伸ばせ！」と言うのは簡単なことだけど、“そうするためにはどうするべきか？”ということは常に考えましょうということです。
―――それではキャストさんには？
（黒川氏）極力ストレスを軽減させることですね。やはり、良いお客様ばかりではないですし…絶対にストレスが溜まるわけです、風俗のサービスって。だからこそ、待機場や事務所を彼女たちにとって癒しの空間にしないと……と、心がけています。だから僕、キャストさんに対しては、誰にでも敬語で話しますよ。
―――それは素晴らしい姿勢ですね！経営理念として「これは大事！」なことは何ですか？
（黒川氏）自分がされてイヤことは、他人には絶対にしないということです。あとは正直でいること。たとえば、ご利用が何度目かのお客様が指名されても、そのキャストさんがお客様と合わないと思ったら正直に述べるんですね。すると、お客様のほうでも「そこまで正直に伝えてくれるのか！」という驚きもあるようで。それが信頼にもつながりますしね。
―――これから始める方へのアドバイス
（黒川氏）当たり前ですが、『覚悟』を持てるかどうかです。僕自身の実体験で言えば、ある人のアドバイスで「２年間、まったく遊ばずに仕事に励みなさい。ただ、その２年後にまったく違う世界になっていますよ」というもので、実際にそれを実践しました。もちろん、家族がいる人には難しいことだと思いますけど、成功するって、そういう覚悟を持たなきゃだめです。まずは余計なプライドを捨てて、２年間、仕事のみという生活に耐えられるか？あとは目標を持つことです。僕の場合は「まずは１日に10人のお客様が利用されるお店」で、それがクリアされると次第にスタッフも増やさなくてはいけないし、イコール繁盛していることになります。もちろん、お客様がゼロの日だってあります。その時にキャストさんにちゃんと謝れるか？ひたすら謝り続けることにプライドはいらないですよね？そういう覚悟を持って、誰かのせいにしないでキャストさんに接することができれば大丈夫だと思います。
―――成功への近道は無いということですね。本日はありがとうございました。
