敗北のスーパーヒロイン M氏 #2【こだわるからこそ稼げるチャンスがある】

経営者インタビュー

(前回のあらすじ)
今、最もとんがっているデリヘルとして話題の『敗北のスーパーヒロイン』。この注目店を運営するM氏は、約3年前まで業界歴ゼロでした。そこから、どのようにしてマニアックでディープな店舗を立ち上げたのでしょうか?

前回の記事はこちら【業界のことなんて何一つ知らなかった

出発はVRの世界に興味を持ったこと

―――前回、『敗北のスーパーヒロイン』をオープンするにあたって、開業方法などはネットで調べてとおっしゃっていましたが…どこかのお店で修業もせずにですか?

(M氏)はい、ネットで情報を集めて……。あとは、これは開業をしてからの話になりますけど、在籍したキャストさんにいろいろ教わった感じですね。だから、もっと早くフーコムさんに出会っていれば良かったと思っています(ニッコリ)

―――いや~、それは最高の褒め言葉です!ところで、『敗北のスーパーヒロイン』はいわゆる特撮ヒーローをコンセプトにしていて、本格的なコスチュームを採用していますが、この発想はどこから湧き出たものですか?

(M氏)個人的な趣味としてなのですが、私自身VRに興味があり、その勉強もしていました。このVRに生体制御システムというのがあって、VRというものは五感を錯覚させるんですね。加速度センサーというものを付けて錯覚させたりするのですが……たとえばVRのボクシングゲームの場合、自分が叩かれた時に振動を起こすようにして、あたかも殴られたような錯覚を生ませるんですね。こういう感じでVRのAVを作れないかな~って、最初は思ったんです。というのも、男性にとっての性欲って7割が視覚から得られるもので…VRのシステムが安価で提供できるようになると、夢のある世界になると(笑)つまり、VRの世界でのサービスを考えていました。

―――なかなか開業に辿り着きません(笑)

(M氏)それで、VRの世界……いわゆる仮想世界でアダルトなサービスを提供したかったけど、いろいろと難しいことが多くて。それだったらリアルな世界、つまりデリヘルで勝負しようと思ったのですが……リアルな世界の方が大変だったと後々気付かされました(笑)

こだわるからこそ稼げるチャンスがある

(M氏)そうこうしているうちに、周囲のイロイロな人が面白がってくれて協力してくださって。それでコンセプトは、たまたまオタクな友人と呑んでいて、「こういうゲームがあったらおもしろいからリアルにしたいよね!」という話から膨らんでいって、そういえば特撮をテーマにしたデリヘルってないよな~、となりました。

―――男としては大なり小なり「やってみたい!」と思わせるコンセプトだと思います。

(M氏)ありがとうございます。しかし、デメリットに近い話になるのですが…スタートにあたって、キャストとして在籍してほしい女性に店のコンセプトを説明すると理解してもらえないんですよね、今までに無かった分。とくに業界経験がある女性だと「はぁ?」みたいな感じで呆れられますから(笑)

―――でも、勝機はあったんですよね?

(M氏)そうですね。たとえば同人誌の売れ行きとかを調査してみると、需要はあるなと。特撮の世界って、細分化されていて広そうだし、誰もやっていないし。それって求人面でもメリットだと思いまして。それはそういうマニア層をつかめば、料金設定に関しても、他店さんより高めでも利用していただける。つまり確実に稼げるわけですから、チャンスだと。結果的にそれでキャストさんもモチベーションが上がるので、良かった点でもありますね。

―――ちなみにお客様の層はいかがでしょうか?

(M氏)業界経験のあるキャストさんによると、当店のお客様はあまり風俗を知らない方が多いようです。おそらく、性的なものよりもコンセプトそのものに興味を持っていただいているのではないでしょうか。普段から二次元作品のコンテンツを楽しまれている方が、同様に当店というコンテンツを楽しんでいるのでは?ただ、このようにマニアックな分、細部にまでこだわらないと納得していただけません。その分、コスチュームなどの経費はハンパじゃないんですけど(苦笑)

よりマニアックに、よりディープに……という点を追求して、こだわりぬくこと。それが成功の秘訣なのだと実感できた今回のインタビュー。次回はM氏に、経営理念やこれからの展望を伺います。

↓続きの記事はこちら↓

敗北のスーパーヒロイン M氏 #3【マニアな世界だからこそ“本気”で取り組む】

『敗北のスーパーヒロイン』 M氏

営業職、システムエンジニアなどを経て2017年に五反田エリア『敗北のスーパーヒロイン』を開業。新店として『敗北の女子プロレス』をオープンさせる。2023年現在は合計5店舗まで店舗展開をする。「今一番とんがった風俗店」を運営する注目の人物です。

『敗北のスーパーヒロイン』
オフィシャルサイト