青山レーベル フワリー 上杉氏#3【すべては、一流であれ!の気持ちで】

経営者インタビュー

(前回のあらすじ)
これまでに無かった視点で創意工夫を繰り返し、高級デリヘル業界の頂点を目指す上杉氏。これからの業界を目指す人へのメッセージとは?

前回の記事はこちら【当時、私には業界の常識が無かったのです

ゼロからのスタート

―――デリヘルを始めて苦労された点はありますか?

(上杉氏)一番はゼロスタートだったことです。手元資金以外は業界の人脈もなく、何もない状態からなので苦労ばかりでした。唯一情報を仕入れられるのは、広告代理店各社担当の方からのみ。みなさん営業というお立場なので、話す内容はどこまで本音か探り探りでしたね(笑)ですがみなさん口を揃えて言うのは「開業して9割以上の方が撤退している」でした。たしかにやってみて思うのは、この業界でトップクラスになるのは他の業種より難しい。それ以前に立ち上げも非常に難しい。ですね。

―――売上がたたない状態で不安はありませんでしたか?

(上杉氏)人生、その時々のモードってあると思うんですよね。もう背水の陣でしたから(笑)ですが1日の中で若干気分のムラは起こるので、「うまくいく!」と自分を奮い立たせて取り組んでましたね。そして独自のシミュレーションでこのくらいでこうなるというイメージがあったものですから、自分の感覚を信じてました。

―――今、お店の運営をおひとりでやっているということですが、デリヘルなのにドライバーもいない。それで成り立つのでしょうか?

(上杉氏)まず、成り立つ理由は待機がないからです。みなさん副業なので、各々自分のいるところから向かう。そして未経験の女性が多いので、最初から送迎がないわけで…送迎あるなしを比較するという感覚が薄いのだと思います。あと経験者の中でも送迎が嫌いな女性も目立ちます。ですが、完全待機なしのシステムを構築するのが非常に難しいと思います。そして維持もフロントの労力が何倍にもなりますので大変です。このインタビューがこれから業界を目指す方へのメッセージと考えると、安易なことは言えないですね。下手したら何ヶ月も売上が上がらず、終わってしまう可能性も高いです。

―――なるほど…諸刃の剣ですね。今後もおひとりで運営されるのでしょうか?

(上杉氏)いえ、スタッフを入れる可能性はありますよ。たとえば女性キャストがセカンドキャリアとして、運営側で働きたいと希望してきたら前向きに検討します。現場を知る女性が戦力になる可能性は十分あります。

すべては、一流であれ!の気持ちで

―――女性キャスト、お客様に対して心がけているところは何ですか?

(上杉氏)ズバリ「一流であれ!」です。当然のこと女性キャストはお店のコンセプトに合わせ採用してますが、一番大事な要素は「男性に対し優しい心があるか」です。基本男性が嫌いなのにお金のためと接客すれば当然、会員様にもその心が伝わり素敵なひと時を提供することができません。その時間だけでもお相手を愛し、癒す心が大切ですね。内外面において一流の女性であってほしい。なので面接では、女性ひとりひとりの本音を探り出すためかなりの神経を使います。そして会員様へは紳士的対応を求めます。もちろん普段の疲れを癒し、欲求を満たすためにご利用されているので普段見せない素の自分を見せていただいていいのですが、受付の時点でわがままが過ぎたり横暴であったりするとまずお通ししません。行儀よくご利用いただくよう、ソフトSな姿勢で接客しております(笑)こちらが正論をぶつけると姿勢を正す方は多いですよ。当店のようなコンセプトを求める男性は心優しい方が多いので、極端にプライドが高くなければ大体の方は話をすれば解ってくださいます。もうひとつは明朗会計。一流でありながら、私が考えるちょうどいい料金設定で長く愛されるお店作りを心がけております。

―――経営理念で「これは大事」なことは何ですか?

(上杉氏)私はこのサービスは、とても崇高なものだと捉えております。極端な話をすると、医者や家族でもできないことを提供している。人間の本質や、日々抱く願望などにフォーカスした究極のサービスだと考えます。なので誇りを持ち、運営全般を五つ星ホテルを超えるレベルで取り組む。きれいごとに聞こえると思いますが、どんな一流のサービス業にも負けないと自負する気持ちが大切だと思います。類は友を呼ぶと同様、そのような場所にそのような人たちが集まると考えてます。ですが、理想論だけでは太刀打ちできない場面も多いので「白鳥のように水面下で必死にもがき、水面に浮かぶ姿は優雅に見せる」ですね。

―――これから始める方へのアドバイスはありますか?

(上杉氏)「甘くないぞ!」とは言いたくないです(笑)それぞれ性格や環境も違いますし。結論を言うと、自分の感覚・感性を信じ楽しんでやること。私が今まで失敗をして学んできたのは「ゴールを設定してから逆算して行動計画を立てない!」です。事業計画において、ほとんどの経営者は「逆算して行動計画を立てる」ですし、私も昔はそうでした。ですが、それってつまらないな…といつしか感じました。もちろんある程度の見通しは必要ですが…小さな頃、祖母に「いくら稼がなきゃダメより、今日これだけがんばってこれだけ稼げた、のほうが楽しいよ」と教わりました。それが今すごくわかります。なのでこうしなきゃ、ああしなきゃと何かに囚われず、自分らしく稼ぐ。これが重要だと私は思います。それでダメなら工夫する。そうして新たな自分が形成されていく。成長すれば視野も考えも変わりますし、それがまた自分らしさに変わっていきます。昔から言うように楽しんだもん勝ち。どんな逆境に立たされていても、楽しむマインドを持ち続けると、関係する人たちとも良いお付き合いが続く。人対人のビジネスなので、特に女性キャストに心の小さな人と思われたら、お店の格が下がります(笑)自分の心を常に清潔に保って、日々精進すれば状況はどんどん良くなっていきますよ!

―――とても分かりやすいですね! 本日はどうもありがとうございました。

青山レーベル フワリー 上杉氏

業界未経験の女性を中心としたキャストによる、妥協の無い高級デリヘルとして、ユーザーの間で評判の『青山レーベル フワリー』を運営。いくつかの店の業務を一人で行う敏腕運営者として注目を集めている上杉氏。今後もある意味で業界の常識を覆し、新たな業界の風景を作り続けていくことだろう。

青山レーベル フワリー
オフィシャルサイト