(前回のあらすじ)
新宿歌舞伎町で『JKスタイル』、『OLスタイル』、『エロウトスタイル』、『人妻スタイル』と、4つのスタイルブランドに加えて高級デリヘル『プレミアム1』の計5店舗を運営しているスタイルグループ代表の滝氏。アダルトビデオプロダクションから風俗業界へ転身したのは2010年のこと。その際に氏は風俗業界に何を思ったのか?
前回の記事はこちら【アダルト業界は適当な人が多いなぁ~って思いました】
普通のことをマジメにやっただけで成果は出せる!
―――2010年にスタイルブランドの第一号店となる『JKスタイル』をオープンさせましたが、その際に苦労されたことはありますか?
(滝氏)これがあまり無いんですよ、立ち上げに関しては。たとえば、女性の求人でいえばアダルトビデオのプロダクションにいた時のノウハウを活かせましたし、ありがたいことに初日から完売だったんですよ。たぶん、店名やコンセプトが新しく見えたのでしょうね、お客様には。逆に広告代理店さんに「JKって何ですか?」って聞かれたほどで(笑)
―――順風満帆だったと?
(滝氏)立ち上げに関しては、ですね。それよりもお店をオープンさせてからのほうが大変でした。安定するまでに1年は要しましたから。それは利益を残すという意味なのですが。あとは、オープンしてしばらくすると暇な時もありますしね。今では考えられないことですが、当時キャストさんの待機場にコタツがあって、スタッフも一緒に入って電話が鳴るのを待っていたこともあります(笑)あ、そうそう、お客様に驚かれたことがあったんですよ。
―――いったい、それは?
(滝氏)電話の対応です。オープン当初、私もお客様からの電話対応をしていました。前回、私がこの業界に入る前のフリーター時代に20種類ほどアルバイトをした話をしましたが、その時のテレアポのバイトが役に立ったんです。あの電話の受け答えのノウハウは、どんな仕事にも活かせるじゃないですか?それがお客様には「こんなに丁寧なのか?」と意外だったようで。
―――接客という面では以前、バーテンとして飲食業界に携わっていたことが役に立っていますか?
(滝氏)う~ん……それもありますけど、今の仕事に関していえば、どちらかというとアダルトビデオ業界にいた時の教訓が生きています。というのも、私が風俗業界に入って感じたのは、アダルトビデオ業界と同じだなと。周囲がいい加減な人が多かったですから。言ってしまえば普通以下であり、普通にやれば勝てるという手応えは一緒でしたね。今、思い出しました(笑)

“真面目”とは……嘘をつかないことです!
―――『JKスタイル』以降、『OLスタイル』、『エロウトスタイル』、『人妻スタイル』と、スタイルブランドを確立されました。JKの次にOLを持ってきた経緯は?
(滝氏)一つのお店をやっていて、女性も増えてくると、いろいろなタイプの女性が入ってきます。それは「“JK”という枠には合わないかな?」というタイプでも、「他のスタイルであれば活かせるのではないか?」という感じなのですが。それで、より多くの女性にフィットするように……ということでお店を増やしていきました。
―――やはり、最初に『JKスタイル』を立ち上げた時のようにスムーズに……。
(滝氏)いや、お店を増やすのは大変でした。時代と共に難しくなってきています。ここでもAV業界の流れに似たことが起こるのですが、女性の見た目だけではやっていけない、ごまかせない時代になってきました。つまり、内容重視です。アダルトビデオの場合、ネット社会の口コミ社会になると、それが演技だと分かると評価も……という流れですよね。これは風俗店、デリヘル業界も同じで、「可愛い女のコがやって来ました。だけど、プレイ内容がダメです」では当然、いただけないことです。そして、それがスグに他のお客様にも分かってしまう時代ですから。

―――それは口コミサイトが現在の風俗業界で評価のウエイトの多くを占めているということですよね。
(滝氏)はい。最初に『JKスタイル』を立ち上げた時は、口コミサイトはほぼ無いに等しかったので、やりやすいこともあったと思います。だからこそ、 “日本一真面目な風俗店”というグループのコンセプトを大切にしていますし、これを守れば大丈夫かなと思っています。
―――滝さんにとって、“真面目”とは何なのでしょうか?
(滝氏)先ほどから何度も申していますが、お客様には嘘をつかない。今でこそ、口コミやSNSですぐに嘘はバレますけど、『JKスタイル』を立ち上げた9年前は、平気で嘘をつくお店さんが多かったんですよ。ちゃんと接客することって当たり前なのに、この風俗業界には欠けている部分でもありますから。たとえそれが一部のお店でも、風俗業界全体の評価になってしまうわけですから。だから、嘘をつかないということはオープン当初から頑なに貫いていることです。それは仕事をするうえでの普通のことであり、それをやるだけで成果は出ますから。
このように“真面目”であることにこだわり、着々と店舗を増やしていった滝氏。今後はどのようにグループを展開していくつもりなのか?また、業界入りを目指す人に対して、どのような想いを抱えているのだろうか?次回は、その点についていろいろとお話を伺おうと思います。