「経営者インタビュー」とは開業から今に至るまでの体験談を、風俗業界の第一線で活躍する経営者の方にインタビューをする企画です。今回はスタイルグループ代表の滝氏です。スタイルグループとは、学園系から人妻系までの幅広いコンセプトの店舗で展開するグループ店です。今年に入り高級店を出店し、ますます勢いに乗る滝氏の、業界参入動機や立ち上げから今に至るまでの経緯、またスタイルグループの企業理念である「日本一真面目な風俗店」についてもお話し頂きました。
アダルト業界はいい加減な人が多いなぁ~って思いました
―――現在、新宿歌舞伎町でスタイルグループの代表として4つの“スタイルブランド”と高級デリヘルを運営されている滝さんですが、業界入り前は何をされていたのでしょうか?
(滝氏)アダルトビデオのプロダクションに携わっていました。17年前のことですね。二十代半ばの頃で、それ以前は関西でバーテンをやっていたんですね。それでたまたま友達が、そういったアダルトの業界にいて起業したんです。
―――それ以前のバーテン時代は、まったくアダルトな世界は関係が無かったと?
(滝氏)まったく無いです。飲食業界で生きていましたから。とくにバーテンはお客様とお話ができて、お酒までおごってもらえて私には天職かと思っていたほどですから。でも、好奇心旺盛なんでしょうね。面白そうだな~って。たとえ失敗しても、またバーテンに戻って、その時に「話のネタになって面白いんじゃない?」的な考えでした(笑)
―――そうとなると、風俗、AVを含めてアダルト業界のイメージは、あまり良くないと思います。恐い世界だな……とか思いませんでしたか。
(滝氏)たしかに(笑)でも正直なところ、イメージのイの字も浮かばないほど興味が無かったというか。それは地域性もあると思うんですよ。たとえば、東京って繁華街でAV女優とすれ違うことって珍しくない……というか、ゼロではないですよね?
―――たしかに、ゼロではないです。
(滝氏)だけど当時の関西、大阪ではほぼ有り得ないことであって。だからアダルトビデオ業界って、とても遠いものというか……。今でこそ、関西にもアダルトビデオ関係のプロダクションはあります。だけど、当時は無かったものでしたから……。
―――そのプロダクションで仕事をして、アダルト業界に持った感想は?
(滝氏)いい加減な人が多いなというのが正直なところでしたね(苦笑)
―――こんな世界ではやってられないと?
(滝氏)いや、逆に“普通に”やれば結果は出るのではないか?そう思ったんですよ。この点に早い段階で気付いたんです。
―――その普通とは、一般的な社会人としての常識ということですか?
(滝氏)そうです。だけど、そもそも私自身、それまでちゃんとした会社に勤める社会人経験が無かったんですけどね。バーテン、ピザ屋といった飲食店に……あとはテレアポのバイトもやったかな。いわゆるフリーターでフラフラして、音楽やったり、みたいな感じでした。たぶん、アルバイトは20種類くらいはやってますね(笑)。だけど、この時にどんな商売でも活かせる職種もありました。それは後にお話ししますが……。
時代の流れとアダルトビデオ業界の流れを感じて……
―――分かりました。そのアダルトビデオのプロダクションを経て風俗業界に入るキッカケは?
(滝氏)2008、2009年頃からですかね。アダルトビデオ業界がいろいろと縮小する時代に突入しました。配信をするようになってDVD自体が売れなくなったりして、これは方向転換が必要なのかなって思いまして。そこから紆余曲折の末にデリヘルを立ち上げたのが2010年のことです。それが、スタイルグループ第1号店の『JKスタイル』です。
―――『JKスタイル』という店名になった理由はありますか? たとえば何かにインスパイアされたとか……。
(滝氏)時代の流れですね。当時、アイドルグループのAKB48の人気が出始めた頃で。どことなく素人系のにおいがするところがウケるのかなと。だから、新宿でお店を出すことは冒険でもありましたよ。やはり、当時の新宿歌舞伎町というとキャバクラというイメージがあって、高級というか……。
―――たしかに、そこに素人系のお店を出すのは躊躇すると思います。しかも、初めてのデリヘルですし……。
(滝氏)あと、学園系の風俗店があったとしても、私からするとネーミングが「う~ん……」と首を捻るものが多かったというか(苦笑)だからネーミングにはこだわろうと。単刀直入にいえば横文字の店名のイメクラにしようと。それは、学園系イメクラというと『〇〇学園』的なものが多かったので、当時は。かつ、イメクラってマニアックなイメージがあったので、もっとライトな感じでいいのかなと思っていました。それで、“JK”かなと。これは今でこそポピュラーですけど、当時は主にAV業界で使われていたものだったんですよ。だから、自分にとっては普通の響きだったのですが、思いのほか反響がありました。
―――AV業界にいたことが功を奏した形になりますね。
(滝氏)まさにそうです(笑)あとはセーラー服ではなく、ブレザー系の制服を採用したところもこだわりの一つでしたね。
このような感じで2010年にスタイルグループの第一号店である『JKスタイル』をスタートさせた滝氏。アダルトビデオ業界で培ったスタイルを反映させたお店のスタートはどのようなものだったのか?この続きは第2話でご紹介します。
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