(前回のあらすじ)
1年間の沖縄滞在から帰京した2008年5月に、いよいよE+をオープンさせたにしかた氏。今でこそ錦糸町エリアはもとより都内でもトップクラスのデリヘルとして名高いE+ですが……。オープン当初は、なかなか電話が鳴らなかったとか。そして、今、会社を運営するにあたって大切にしていることは? 第3話ではその点についてお話していただきます。
前回の記事はこちら 【ターニングポイントになった4年目】
SNSの台頭が風俗業界にもたらしたものは?
―――今現在の風俗業界に感じていることはありますか?
(にしかた氏)“個(こ)”の時代であるなと。個という自分なりのブランディングができていれば、組織とか関係無く人が集まってきますし。代表的なものでいえばSNSの台頭ですよね。女のコ個人がアカウントを持って、それなりのフォロワーがいれば、アナウンスができるじゃないですか? たとえば、「〇月一杯で今のお店を辞めて、次のお店が決まったらお知らせしますね!」という自分の宣伝ができてしまうわけです。それで次の店が決まったらSNS上でアナウンスして、前のお店のお客さんを全部引っ張ってくるわけじゃないですか?
―――それはある意味で新しいやり方ですけど、ある意味で恐いことですよね?
(にしかた氏)そうですね、そのキャストさんが他店へ移ったら、ごっそりとお客さんを持っていかれる可能性があるわけですから。だけど、その分、即戦力になる可能性も大きいので、一概に恐いことではないんです。
―――キャストさんは個人商店であって、あくまでも店の看板を借りているだけ、みたいな感覚なのでしょうか?
(にしかた氏)まさに、その感覚だと思いますよ。あと自分ブランディングに関しては『写メ日記』の存在が大きいと思います。書き方次第で集客につながるし、逆にお店側としても「写メ日記をやっていても反響が無いのは、あなたのせいでしょ?」と明確に言えますから。個人のパワー次第、ということですよ。
―――なるほど。それでは、そのSNS時代にお店側として心掛けることはなんでしょうか?
(にしかた氏)キャストさんが個を発揮させるには、キャストさんがいかに気持ちよく働ける環境、お店を提示していかないとマズイですね、これからの時代。だから、上からモノを言う店長やスタッフはダメですね。そんなことしたら、「あ、じゃあ私はお客さんを持っているので、この店を辞めます」と言われてしまうのが関の山ですよ。昔はキャストさんがお客さんと連絡先を交換するなんてご法度でしたけど、SNSではそうも言ってられませんし(苦笑)。だからといって、お客さんをそのまま女のコのものにするのではなく、お店を好きになってもらえるように努力しないと、先は無いですよね。
―――そういった意味でも気持ちよく働けるお店を追求するのは大切ですね。SNS上でつながっていたとしても、お客さんからの電話予約を受けてキャストさんに伝えるのはお店の仕事ですから。
(にしかた氏)そうです、そこです。たとえばスタッフの対応が悪くて、お客さんがそのままキャストに伝えたら、キャスト自身も「なんなの、この店は!」となりますし。場合によっては、その1回で店を離れてしまいますし……。今まではお客さんがキャストを評価していたのが、今はキャストがお店を評価するようになっていますよね、SNSを使って。たとえば、下からペコペコしたとしてもツイッターで「ペコペコしている」と書かれてしまう時代ですから(苦笑)。だから、キャストに対しては正直でいるしかないですよね。

このご時世、やりたいことはやったほうがいい
―――その他にSNSで気を付けることはありますか?
(にしかた氏)よく炎上商法って言いますけど、僕は意味が無いと思います。自分の真のことをフォロワーさんに発信するのが第一で、炎上って実が無いじゃないですか。でも、アンチはいてもいいと思いますよ。アンチも立派なファンですからね。そういう見極めが大切になりますよね、今の時代は。
―――この時代ならではの難しさもありますね。
(にしかた氏)それはSNSだけではないですけどね。昔はこうだからこうだった、ということは通用しないですよね。常日頃、変化していかないと……ということは、スタッフ全員で共有しているので、それは強みです。新しいことをどんどんやっていきたいですし。その点を踏まえて、うちの会社は、どれだけ頑張れば、これだけの給料がもらえるということを明確化しています。たとえば、半年に1回、目標を掲げるんです。それは3段階あって、A目標を達成したら給料がこうなります。B目標を達成したら立場がこうなります。C目標を達成したら……という感じです。人がどうやったら動いてくれるか? それを考えると目標を明確にしたほうがいいですし、モチベーションは大切ですから。それ次第で3年で他の会社の10年分の仕事をすることになることもありますけど、それだけ濃密な仕事ができる会社だと思っています。

―――風俗業界に入ってくる人の目標の一つに独立願望もあると思います。
(にしかた氏)それが思った以上に多くなかったりするんですよね(苦笑)。どんな職業でもそうですけど、すべては数字だったりするわけじゃないですか? デリヘル運営という仕事は、天井が無いと思うんです。やり方次第で可能性は無限だと思います。
―――風俗業界で社長になるために必要なことはありますか?
(にしかた氏)“育てる力”ですね。組織って回す人で変わります。トップの回す力がすごければ、自然にNo.2もNo.3も育ってきますし、その結果、キャストも育ってくるものですから。社長を目指すのであれば、育てる力を育ててほしいかな。
―――これから、にしかたさんのようになりたい人にメッセージはありますか?
(にしかた氏)今は何でも“やりやすい時代”だと思います。表現しやすい、とでも言うのかな。それは、今回、何度も出てきたSNSを使ったりしてですけど、やりたいことがあるのであれば、やったほうがいいです。思ったことは発信して、個にブランド力を付ければ、そこにはお客さんが集まってくる、お金も集まってくる時代ですから。僕自身も自分のグループ内でお金持ちを増やしたいですから、興味のある方は一緒に頑張ってみませんか?
―――本日はありがとうございました。

E+グループ にしかた社長
大学生の頃からスカウトを始め、スカウト会社を設立する。法改正でスカウト会社を廃業ししばらくしてE+を立ち上げる。始めの数年はなかなか軌道に乗らず、低迷していた。そんな中立ち上げメンバーである後輩の退職をきっかけに一念発起し、わずか数年で東京を代表するようなお店にまで成長させる
【E+グループ】
E+
いーぐみ-東京キャンパス-
ユニバース東京
ナイトベル