以前にもこのブログにおいて論じた事のある、スカウト問題“相次ぐスカウトマンの逮捕。法案改正までに発展”。スカウトの問題にとどまらず、既に風俗店の摘発にまで至っている。なぜ業界自体を揺るがすような事件にまで拡大してしまったのか?一般ニュースにもなり、報道各社が報じているので、ご存知の方も多くいるとは思いますが、報道や新聞紙面からこの問題を理解するのは難しい気がします。なぜなら報道からは業界に対しての激震があまりにも伝わらないからです。この問題は業界のキャストの求人を根底から変えてしまうものになるからです。製造業で考えてみてください。原材料の供給が止まったり、供給元が供給を絞ったら、その会社は経営を維持できなくなるほど困窮します。風俗店は求人がまさに商品の原材料なのです。風俗店がやっていることを製造業風に例えると普通の女の子を男性に対してサービスできるように教育し、男性にサービスを提供する、ここの男性にサービスを提供するのがまさに商品なのです。原材料である女の子の仕入れ(求人)ができなくなれば、立ち行かなくなってしまいます。
この記事の目次
スカウト問題:その背景と現状
近年、ホストクラブでの売掛金問題が風俗業界へのスカウト問題として注目されています。特に、ホストクラブで多額の飲食代を支払えなくなった女性が、売掛金回収を目的に風俗店へ斡旋されるケースが問題視されています。この背後にはスカウトが関与し、風俗店で働く女性の収益が売掛金の回収原資として利用される構図が浮かび上がります。
この問題の核心は、スカウト行為そのものではなく、風俗店への斡旋が法律上禁止されている点です。キャバクラなど許容されている業種への斡旋は合法とされますが、風俗業は「有害業務」に指定されているため、斡旋行為自体が違法とされます。この差が問題の本質を複雑にしています。
ソープランドへの斡旋が特に問題視される理由
スカウト問題の中でも、特にソープランドへの斡旋が大きな問題となっています。ソープランドはその構造自体がグレーゾーンとされ、公然と本番行為が行われている場合が多いです。この業界では、「お風呂で背中を流しているうちに恋愛感情が芽生えた結果、本番行為に至った」という言い訳がまかり通っています。
しかし、スカウトが介在して女性をソープランドに斡旋した場合、これは単なる斡旋行為に留まらず「管理売春」として摘発されるリスクが高まります。スカウトによる介入が、女性の自由意志を超えた労働環境を生み出し、搾取的な構図を強調していると考えられるからです。
スカウトバックの構造と問題点
風俗業界には、女性を風俗店に紹介したスカウトが報酬を受け取る「スカウトバック」というシステムが存在します。女性が働き続ける限り、スカウトにお金が支払われる仕組みです。さらに問題を深刻化させているのは、ホストとスカウトが女性客の情報を共有し合うケースが存在する点です。
この場合、風俗店がスカウトに支払うバックがホストにも分配されることがあります。このような連携は、ホストクラブとスカウトの間で女性を搾取するネットワークを形成し、女性が多重に利用される構図を生み出しています。
吉原でのスカウト排除の動き
東京最大のソープランド歓楽街である吉原では、スカウト排除の動きが見られ、その動向が注目されています。吉原は、長年ソープランドの中心地として知られており、この地域でのスカウト排除の取り組みは、業界から注目をされています。ソープランドについてはデリヘルなどと違い箱物と呼ばれ、店の経営者がその土地、建物の所有者とは限らない点です。つまりソープランドには大家がいる場合も多いのです。今回のスカウト問題の取締にあたり、芋づる式に大家も摘発の対象となったことが業界を愕然とさせました。
摘発、捜査の動きを受けて、吉原はスカウト排除に積極的に動きましたが、吉原以外の他の地域にどのような影響を及ぼすかも注視されています。また、この取り組みがソープランドだけでなく、デリヘルなどの他業種に波及する可能性も十分に考えられます。特にスカウトによる搾取的な構造が類似すると考えられる業種では、同様の規制や改革が求められるでしょう。
求人媒体の変遷と今後の展望
これまでは、バニラやガールズヘブンのような求人媒体とスカウト、両方を使い求人を行うことが一般的でした。むしろ求人広告もやるし、求人広告で集まりきらない人員分をスカウトにお願いをして紹介してもらうお店も多く、スカウトバックに多額のお金を使う店も多くありました。そしてスカウトとの関係が悪くなることを恐れていた風俗経営者も多くいました。人気嬢をスカウトから紹介され、店で稼ぎ頭になっても、スカウトの意向で人気嬢を他店に持って行くなどをされると大きく売上を落とす一因にもなったからです。しかしこの事件をきっかけにこのような風俗店とスカウトとの関係は根底から崩れ去ろうとしています。