2023年10月からインボイス制度が始まり、消費税の納付が必要となります。

インボイスについて自分達にどのような影響があるのかしっかりと把握しておくかなくてはいけません。

ですが分かりにくいことが多いかと思いますので、なるべく分かりやすいようにインボイス制度がどのように風俗業界に影響を与えるのか、お店・キャストの両方の側面から解説していきます。

簡単に言うと今までの消費税法が変わり、インボイスの申請をしないと国に納める消費税が増えてしまうというとです。

風俗店で働くキャストの方は個人事業主の為、もちろん消費税を納めなくてはいけません。

インボイス制度とは

まずは簡単にインボイス制度についてお話しします。

インボイス(適格請求書)制度とは・・・「新しい仕入税額控除の方式」で「消費税を正しく把握し、計算する為に発行する書類」のことです。

政府はインボイスについて「消費税の納税額を正確に把握する為のもの」と説明しています。

一定の項目が記載された適格請求書(インボイス)に基づいて消費税の仕入税額控除額を計算し、証拠書類を保存する消費税法上の制度。

物凄く簡単に言うと「計算方法が変わって、インボイスという新しい請求書になるよ」ということです。

インボイス制度のポイント

• インボイス以外の請求書では仕入税額控除が受けられない。
• インボイスを発行する為には発行事業者の登録が必要。
• 今までの消費税の計算方法が変わる。
• インボイスの登録番号を請求書に記載するようになる。
• インボイスに登録するかしないかはそれぞれ(任意)の判断になっている。
• インボイスに登録しないと新規取引や継続取引に支障が出る可能性有り。

インボイスに登録していないとどうなるのか

インボイスに登録していないと、請求書を受け取った取引先が消費税の負担を強いられることになります。逆もまた然り。

そうなるとインボイスに登録していない事業所とは取引しない・継続取引不可とする企業も出てくるでしょう。

これらを踏まえて、風俗業界にはどのような影響が出てくるのか説明します。

お店の対策は料金設定、キャストへの対応など多方面について検討し、考えなくてはいけません。

なので参考にできるように、まずはキャスト側の影響についてお話ししましょう。

インボイス「キャスト側への影響」

インボイス制度のキャスト側への影響について。

一言で説明すると「インボイスに登録していないと取り分が減る」これが1番の影響でしょう。

そして懸念されるのはそればかりではありません。

インボイス。キャストはどうするべきなのか

では、キャストはどうするべきなのか・どう考えるのか。

まずは自分が所属しているお店の対応をよく見るでしょう。

インボイス制度がスタートすることで諸費税の計算方法が変るので納税額が増えます。

お店から「インボイスに登録に登録してくれ」とお願いするかもしれません。

インボイスによってお店の料金形態が変ったりなど色々な変化があるでしょう。

そこを見て、

• インボイスに登録して今のお店で継続して働く。
• インボイスに登録せずに継続して今のお店で働く。
• インボイスには登録するけど他のお店に移る。
• インボイスに登録せずに他のお店に移る。
• 風俗業界を辞める。

これらの対応を考えるようになります。

キャストが「適格請求書発行事業者」になったら

では、キャストがインボイスに登録し「適格請求書発行事業者」になったらどうなるのかについて。

あなたがキャストだとしましょう。

適格請求書発行事業者になったらあなたは消費税を納める「課税事業者」となります。

課税事業者になると所得税の確定申告と、消費税の申告書も作って所得税と消費税の納税をすることに。

なので登録すると課税事業者なので今までのように免税されず、消費税の申告義務が発生します。

売り上げが1,000万円以下で運営していても納税額が増えてしまうので、負担が大きくなることは間違いありません。

そしてインボイスに登録すると「身バレ」のリスクを考えなくてはいけません。

インボイス登録すると身バレする？

身バレについてお話しする為に、ここでもう一度インボイス制度について噛み砕いて説明すると、売り手(キャスト)が買い手(お店)に対して正確な適用税率や消費税額を伝える為に始まる制度がインボイス。

このインボイスは「適格請求書」というもので、適格請求書を保存しておくことで仕入税額控除が受けられるというものです。

そして、この適格請求書(インボイス)の請求書を発行するには税務署にインボイスの申請をして適格請求書発行事業者にならなくてはいけません。

適格請求書になると今までの請求書に新たな項目が加わります。

• 適格請求書発行事業者の指名または名称及び登録番号
• 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜きor税込み)及び適用税率
• 消費税額等

なんだか難しいですよね。

で、風俗に努めているキャストの身バレについて。

登録番号の記載が必須なのですが、登録事業者情報は国税庁のサイトで公開されます。

と、いうことは・・・

そうです。

領収書を見られたりすると本名(風俗務め)がバレてしまうかもしれないということ。

こういったことから風俗店で働くキャストは自分のギャランティが減る事と身バレ、あとは面倒だということを天秤にかけて女性の性風俗離れが起き、キャスト不足が懸念されるというわけなのです。

これがインボイスのもたらすキャスト側への影響になります。

インボイス「店側への影響」

続いてお店側への影響について。

懸念されるのはキャスト不足とお店の利用料金の変更(値上げ)によるお客様の風俗離れです。

そもそも所属するキャスト全員にインボイス登録をしてもらうのは難しいでしょう。

免税されていた税金を払わなくてはいけないから給料の減額＆面倒＆身バレのリスク。

ですが節税の為にはインボイス登録をすすめたいと考える経営者の方も多いはず。

ここでどう折り合いをつけていくのかが問題となってきます。

対策としては

• お店の利用料金を値上げする
• キャストから雑費を取ったりバック率を下げる

こういったことが主に考えられます。

お客様の利用料金を上げてしまえば単純にキャストへの給料を減額せずに済みますが、そうなるとお客様が今までのようにお店を利用してくれるかどうかが心配されますよね。

なので今まで以上に営業努力やサービス内容の改善などを考えていかなければなりません。

これまでお話ししてきたことでお分かりかと思いますが、インボイスが始まり消費税の納付が必要となります。

繰り返しますが風俗で働くキャストの方は個人事業主の為、消費税を納めなくてはいけません。

ですがキャストが支払わない場合はお店が差分を引いてキャストに渡さないといけなくなります。

そうなると実質キャストの給与が減ることになります。

インボイスについての説明とそれに伴うお店側の対応をキャストにしっかりと説明していないと、「なんで急に取り分が減るの？」となりますのでキャストのお店離れのリスクが出てきます。

ですがお店が負担すれば店落ちが減りますよね。

ですのでインボイスという制度をお店はしっかりと理解してキャストに伝える必要があります。

まとめ