un・・usual〈アンユージュアル〉 椿氏 #前編【やってもいないのに「できない」は言いたくない】

経営者インタビュー

いつもは風俗業界の第一線で活躍する、デリヘル経営者の方にインタビューする「経営者インタビュー」。今回は少し趣向を変えて、ここ最近増えている「キャスト兼マネージャー」をされている方にお話を伺います。御登場いただくのは、西川口の派遣型M性感店『un・・usual〈アンユージュアル〉』にてその手腕を振るい、業界から注目を集めている椿さんです。キャスト業とマネージメント業を両立させているからこそ、見えてくることも多いようですよ。

やってもいないのに「できない」は言いたくない

―――椿さんとの出会いは……。

(椿氏)『アンユージュアル』がオープンして、この12月で丸3年になります。その少し前の立ち上げ準備の期間から、フーコムさんにはお世話になっていますので……。

―――約3年ということになりますね。いつもは風俗店の経営者さんにお話を伺っているのですが、椿さんはお店での立場がキャスト兼マネージャーということで、いつもとは違った切り口のお話を伺えるのではないかと楽しみです。

(椿氏)今回のお話をいただいた時に、いつもとはカラーが違ってしまうのではないかと最初は不安でしたけど、お話しできることは何でもします。その代わり、マズイところはカットしてくださいね(笑)

―――かしこまりました(笑)。まず、この業界に入る前のお話を伺いたいのですが…差し支えなければ、前職などを教えてください。

(椿氏)専門学校や、親が携わっていた美容関係の会社で、会社員や秘書をしていました。

―――業界とは無縁の生活だったと?

(椿氏)そうですね。現在のようにネットが普及している時代では無かったので…情報というものが全く無かったんです、男性の世界に風俗というものがあるとは……。

―――それが、なぜ業界に?

(椿氏)諸事情でより多くの収入が必要になって、そうであればホステスさんとかの夜の商売かなと思いまして。それで求人をいろいろ探して、『パブ』と書かれていた案件に面接に行ったら……いわゆるピンサロだったんです。そこが始まりですね。

―――何も知らない世界なのに、よく飛び込めましたね……驚きです。

(椿氏)これは私の性分なのでしょうけど、何でもやってみないと分からないじゃないですか?やってもいないのに「できない!」と言いたくないんです。それで始めてはみたものの、初めてなもので…「できる」、「できている」の物差しが分からないわけです。だから、ひたすらがむしゃらに……という感じですよね(ニッコリ)

―――たしかにご自身の性分としか言いようのないことですね(笑)

M性感の原点は“受け身知らず”?

―――ちなみに、そのピンサロでの稼ぎは良かったのですか?

(椿氏)これも、どれだけの額を稼げば「稼いでいる」と言えるのか物差しが無かったので、なんとも言えませんが……そのお店は時給があったんですね。つまり、お客様がついてもつかなくても、1時間につき一定の額が支払われるので、1日中そこにいるだけでも、日当換算で1万円はいただけるお店でした。そのうえお客様が付けば、その分バックが入ってくるシステムです。なので、1日の最低収入計算はしやすかったですね。ただ、絶対それを上回る方法を常に考えてはいましたが。

―――現在のようなスタイル……いわゆるM性感の世界に入るキッカケは?

(椿氏)そのピンサロで働いている時にスカウトされたんですよ、都内のあるデリヘル店でしたけど。もちろん、デリヘルが何たるかは知りませんでした。ここでもやはり、自分の「やってみないと分からないから……」という性分が出てしまったんです(笑)

―――なんと言ったらいいのでしょうか……パワフルというか……。

(椿氏)(笑)それで、上手く伝わるか分かりませんけど…私、受け身でいる事のサービスに対しての、疑問が出てきちゃったんですね。

―――受け身が分からない?

(椿氏)いや、もちろん、そういう業種というのは重々承知してましたし、風俗のサービスにおける受け身という意味ですけど…お客様から料金をいただいて、自分があまり何もしない事への違和感というか……。お金をいただいているからには私がサービスしなくてはと思い、結果、そういう気持ちにフィットしたのがM性感だったのかもしれません。いずれにしても、男性にとっては風俗は遊びとはいえ、自分にとってはあくまでも“立派なサービス業”なので…だからこちらが為す事にウエイトをおく方が、しっくりくるというか。

―――なるほど。それでは、現在のようなマネージャー的な立場になるキッカケは何かありましたか?

(椿氏)キャスト兼マネージャーという感じは、前にいたお店でもやっていましたが…6年前のことかな。なんか、スタッフさんとキャストの仲立ちが必要なのでは、と思って。その前の前に在籍していたお店にいた時のことなのですが、イヤなシーンがありまして。キャストがスタッフに対して「あなたたちの給料は誰が稼いでいると思ってるのか?」的なことを言ったり…キャスト上位主義がまかり通っているのも、スタッフがキャストの立場に立たない言動を見聞きするのも…どちらも違うのかな、と。

―――言わんとしていることは分かります。

(椿氏)たとえば、待機室の掃除とかをスタッフがするのが当たり前的な風潮があって。私、それは違うかな、と。自分達が過ごしている場所を、自分達には関係ないと思う所、みたいな。やれることは自分でもやるべきであって、そういう所は分ける所でもなく自発的にやればいい事であって。どちらが上、下という考えを止めたくて、お互いの仕事の内容を理解し合いたいのがきっかけではありました。

―――世話好きなところもあるのでしょうね。マネージャーの立場も兼任するようになっての、気付き的なことはありますか?

(椿氏)たとえば、女の子に対してはチヤホヤするだけではなくて、ちゃんと一人一人と向き合うようにしています。結局はキャストは個人事業主なわけです。商業施設にたとえると、お店自体はショッピングセンターそのものであって、キャストはそこに入るテナントなんですね。だから、そのテナントは何曜日に休んでもいいし、営業時間……つまり、出勤時間を自分で決めてもいい。だけど、水モノ商売である以上は、時間を提供するのが自分達に出来ることでもあるので。そういった点はちゃんと説明して、努力してそれでもお店に合わないようでしたら、それがその人にとって幸せじゃないなら他の地域でチャレンジしてみるのも自由ですしね。個人商店を出すという手もありますが、集客を考えると…やはりショッピングセンターありきな所は否めないかな。

―――お店を辞める、辞めないは自分次第ですもんね。とても分かりやすい説明でありがたいです。

後半では、マネージャーとしての理念などを伺わせていただきます。

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un・・usual〈アンユージュアル〉 椿氏 #後編【風俗は究極の一期一会】

『un・・usual〈アンユージュアル〉』椿氏

会社員、秘書などを勤め、最初はピンサロに勤務。その後、デリヘルなどを経て現在ではM性感歴20年以上を誇る。3年前にオープンした西川口の派遣型M性感『un・・usual〈アンユージュアル〉』では、キャスト兼マネージャーとして活躍。その確かなテクニックと信頼感で注目を集めている業界人です。

『un・・usual〈アンユージュアル〉』
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