デリバリーヘルス店を開業して数か月が経過し、順調に業績が伸びてきたとします。ちょうどその頃が、更なる売り上げ増を目指し業務のテコ入れをするのに適した時期と言えるでしょう。新たな人員を確保することで、それまで出来なかった、拠点から少し離れたエリアへのキャスト派遣や営業時間の拡大も出来、独りでやっていたのであれば少しの休暇も取ることも可能となります。しかし、業績が順調なだけに、営業に対して気が緩むのもこの時期。単純に事業拡大を図ると思わぬ落とし穴に陥りがちです。
人員増加のメリット
開業後、損益分岐点へある程度の目途が立つまでオーナー単独で切り盛りをすることもあるでしょう。売り上げが順調に上昇して自らの給与も確保することができ、従業員一人分の人件費が捻出できるような余裕ができれば、すぐにでも実行すべきでしょう。
それによって営業時間の延長、派遣エリアの拡大ができるだけでなく、事業拡大の細かな準備にも時間を割けるようになるでしょう。心理面でも、今まで狭い事務所に一人籠って孤独を感じていたものが、雇用関係とはいえ苦楽を共にする仲間が加わることで幾分緩和されることでしょう。
キャスト管理についても二人体制になることでより細かくケアすることができ、退店率も下がり、お店の好評価にも繋がるでしょう。
人員増加の際の注意点と対処法
人員増加に伴うデメリットにも注意しなければなりません。キャストやお客様との対応や店のホームページの更新などを増員したスタッフに任せることで、それらの質の低下は免れられません。これは対応能力や経験値の違いではなく、お店の売り上げが日々の生活に直結するオーナーと給料で雇われた人間との意識の違いでしょう。
在籍キャストにとっても直接話せる相手がオーナーから社員に変われば「今まではオーナーに直接お願いできたのに」との少々理不尽な不満も出ます。マニュアル化するなど、重要な仕事や日常のルーチンに関しては、一定のレベルを維持できるような工夫をすべきでしょう。自ら行っていた仕事を人に任せるには、ある程度の妥協や柔軟性も必要です。
どこのお店も頭を抱えているキャストとお金の管理
風俗業界が他業界に比べてお金の管理が難しいのは、現金商売であるためです。キャストが派遣された先で来店客に申し込まれたオプション料金や、その日の本数を誤魔化すことも多々あり、ひどい例だと数年にわたり数百万円を横領される事例も散見されます。
拠点事務所に防犯カメラを設置する、しっかりした顧客管理システムを導入するなど、隙のない環境を整えるべきでしょう。他にも、雇用したスタッフがある程度の権限を持つことによってキャストから慕われ、恋愛関係となってしまう事も絶対に避けるべきです。
在籍キャストはお店がお金を投資して獲得した大事な商品であり財産です。スタッフの個人的感情で私有化したり傷物にしたりされては大問題です。デリケートな仕事はスタッフに任せることなくオーナー自身が管理するようにしましょう。
まとめ
事業拡大のためのスタッフ増員は、避けては通れません。自分以外のスタッフが増えるほど管理すべきことも増えていきます。一人の意志だけで運営できた方が楽だったかもしれません。それでも事業を着々と拡大して大きな利益を得るため、スタッフの管理・監督もしっかりと行っていきましょう。