後を絶たない児童福祉法違反の注意点

風俗経営基礎知識

風営法が改正されて半世紀近くがたった今でも「18歳未満の女性を在籍させ、淫行させた疑いで風俗店経営者を逮捕」といったニュースが散見されます。18歳未満の未成年を在籍させてはいけないことは、風俗経営において最も基本的なルールであると誰もが判っていながら、なぜこのような事例が後を絶たないのでしょうか。今回は、規制の根拠となる児童福祉法について触れます。

児童福祉法違反

第三十四条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
六 児童に淫行をさせる行為

児童福祉法違反に対する罰則
第六十条 第三十四条第一項第六号の規定に違反した者は、十年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

以上が児童福祉法及びその違反に対する罰則についての法律です。風俗経営者が児童福祉法に抵触した場合、営業停止処分を受けます。風俗経営については様々な法律による規制がありますが、最も注意すべき法律と言えるでしょう。

新規出店の出来ない経営既得権のある老舗の店舗型風俗店であっても、児童福祉法違反による処分を受ければ、営業停止ではなく営業廃止処分により閉店に追い込まれてしまうことも多々あるようです。

児童福祉法に抵触しないために

児童福祉法に抵触すれば閉店にさえ繋がってしまうと広く認知されていながら、なぜ違反行為が後を絶たないのでしょうか。風俗店側が違反をしてしまう理由の一つとして、在籍キャストが「若ければ若いほど需要が高い」点が挙げられます。

「業界未経験」や「3月まで女子高生」などの謳い文句は風俗利用客の興味を惹きつけます。そのような「ギリギリ」な人材は、是が非でも欲しいところです。他方、18歳未満の、どうしても風俗店で働きたい女性は、成人した別人の身分証を持参したり身分証を偽装したりして採用面接を受けに来ます。

場合によっては、悪徳業者に身分証の偽装を依頼する女性までいるようです。このように、悪質なお店であれば未成年と判った上で在籍させていることもあるかもしれませんが、多くは店側が未成年と見破れずに在籍させてしまうケースでしょう。

店側が違反をしないようにするためには、面接時に複数の身分証や高校卒業時の卒業アルバムを持参させる等、「未成年でない」ことを確定させるのに慎重を期さねばなりません。万一、女性が退店後に「在籍して働いていた」ことが判明しても検挙は免れません。

偽造された身分証を見抜けなかった場合でも店側の過失とみなされます。少しでも怪しいと感じたなら、面接で成人を示す身分証が提示されたとしても採用を見送るべきでしょう。

まとめ

児童福祉法に抵触した際の罰則は、数ある法律や条例に抵触した場合に比べ、非常に重いものです。場合によっては今まで積み重ねてきた実績や努力が、一瞬で泡となってしまいます。「20歳未満は採用しない」といった、児童福祉法以上に厳しい規制を自らに課しているグループ店もあります。より若い女性キャストに需要があることは確かですが、未成年を採用してしまった場合のリスクは、絶対に冒すべきではありません。