摘発を防ぐ為に売春防止法について読み解く

風俗経営基礎知識

現在、売春行為や性風俗業における法的規制が厳しさを増しています。

ですが、明らかに違反ではないかという事に関しても逮捕までいかない・いけないという事例があるのをご存じでしょう。

風営法・売春防止法に抵触するという点において、大久保公園での「たちんぼが逮捕しにくい」という話もそうです。

どうしてあんなにズラーっとあからさまなのに逮捕までいかないのか疑問に思いますよね。

ネットニュースにも取り上げられ、たちんぼの聖地とまで言われているくらいの有名スポットです。

これについては後ほど解説します。

あなたは売春防止法についてしっかりと理解できている自信がありますか?

風俗業界にいる人ならば、特に経営者ともなると「売春防止法については、なんとなく知っているしうちは破っていないから摘発なんてされない。大丈夫だろう。」などと思っている人がほとんどでしょう。

ですがしっかりと理解していないと「法を破っていないと思っていたのに摘発されてしまった」という事例が多々起きるのが風俗業界です。

そもそも売春防止法とは、性風俗業を規制し、売春行為や性的なサービスを取り締まるために制定された法律です。

摘発を回避し合法かつ安全に事業を営むためには、売春防止法の内容をしっかりと理解する必要があります。

この記事では、風俗業界に携わる人々が”気が付かないうちに法を破ってしまって摘発される”なんということがないように売春防止法の特に理解しておきたい部分について掘り下げていきたいと思います。

売春防止法と風営法の違い

よく、風営法と売春防止法を同じものだと考えている人がいますがこの2つは似ているけれど違います。

風営法と売春防止法は、それぞれ異なる目的と対象を持っていることを理解しておいてください。

以下を読んでもらうとそれだけでなんとなく違いは分かるかと思います。

  • 風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等法律)
  • 売春防止法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰児童の保護等に関する法律など)

両方を簡単に説明すると風営法は特に事業に関する規制だと思ってください。

売春防止法は売春や行為等の児童の保護についての法律です。

これをしっかりと区別ができたうえで理解しておくようにしましょう。

風営法だけを理解している人は多いのですが、売春防止法との区別がつかずにどちらも知っていると思い込んでいるというのが落とし穴というわけです。

売春防止法の覚えておきたいポイント

売春防止法の目的は、児童を対象とした性的な搾取や虐待を防止、児童の保護を目的としています。

法律の中には児童買春や児童ポルノに対する処罰が規定されており、性的な目的で搾取する行為を厳しく取り締まることがその目的です。

性風俗店を営業する経営者の方はこの点についてもちろん理解しているかと思います。

ですが、理解していても摘発されるのはこの部分を気が付かないうちに違反してしまうから摘発されるのです。

ここから更に売春防止法のについて読み解いていきましょう。

売春防止法の目的と定義について

全て順守しなければならないものですが、冒頭でお話しした「たちんぼが逮捕しにくい件」について解説するので、売春防止法の定義について先に3つ理解しておいてください。

売春防止法の目的は

売春が人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗をみだすものであることにかんがみ、売春を助長する行為等を処罰するとともに、性行又は環境に照して売春を行うおそれのある女子に対する補導処分及び保護更生の措置を講ずることによつて、売春の防止を図ることを目的とする。

売春防止法 | e-Gov法令検索

とあります。

そして第四条

この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。

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第六条

売春の周旋をした者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

 売春の周旋をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者の処罰も、前項と同様とする。

 人を売春の相手方となるように勧誘すること。

 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。

 広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。

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第七条

人を欺き、若しくは困惑させてこれに売春をさせ、又は親族関係による影響力を利用して人に売春をさせた者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

 人を脅迫し、又は人に暴行を加えてこれに売春をさせた者は、三年以下の懲役又は三年以下の懲役及び十万円以下の罰金に処する。

 前二項の未遂罪は、罰する。

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以上を踏まえた上でたちんぼが逮捕しにくい件についてお話しします。

たちんぼが逮捕しにくい件について

たちんぼとは援助交際が目的で外に立ってお客を待つ行為を言います。

冒頭でも言いましたが、特に大久保公園の周辺は”縁交”とも呼ばれているくらいの場所で、そこに立っていればあからさまに「たちんぼしています」と言っているようなものです。

ですが、明らかに違反になるのにどうして逮捕しにくいのかというと、第四条を読んだら分かるかと思いますが男性に「彼女です」と言い張られればそれで終わってしまいます。

「嘘つくな!」というと権利の侵害になり、渡したお金はタクシー代と言えばそれまでです。

彼女達はただ立ってるだけで(周旋等)第六条 の通り勧誘はしていません。

なので逮捕しにくいということです。

言い張られてしまえば、この場合だとそれを実証する手立てはありません。

まずいのは第七条~のもので、売春をさせたりするのが問題になります。

これを事項から風俗店と置き換えて考えてみましょう。

性風俗店を営業して摘発されない為にどうしたらいいのか

繰り返しますが売春防止法は児童を対象とした性的な搾取や虐待を防止、児童の保護を目的としています。

風営法では、性風俗業務に従事する者は18歳以上である必要があります。

未成年者を雇用していると、摘発の対象となり重大な法的トラブルに発展しますし、風営法と売春防止のダブルで抵触してしまうことになりかねません。

なので摘発されない為にはまずキャストの年齢確認を厳密に行い、「本番行為は禁止」などのルールをしっかりと教育することです。

万が一にも売春防止法に抵触するようなことになってしまった場合、

例えばですが極論、お店が「本番してはダメ」と言っているのにキャストさんが勝手に本番行為をした場合などであれば、お店は悪くないということになります。

また本番が発覚した場合、容認しては認めたことになるので、発覚したらキャストとお客さんにペナルティを与えなくてはいけません。

何のペナルティも与えずにいると容認したことになります。

まとめ

ただ弁護士などの見解とは違いますし、これはあくまで条文を読み解いたものなので「これで絶対大丈夫」というわけではありません。売春防止法や風営法は未成年者の保護や不正行為の防止を目的としており、営業届出や従業員の年齢確認などを徹底して行う必要があります。合法的かつ安全な経営を確保するためには、法令順守が重要であり、売春行為には厳しい罰則が科せられることもあるのでしっかりと理解しておきましょう。