デリヘルを売却する場合の注意点

風俗経営基礎知識

今回は風俗店のM&A(売買)について、特にデリヘルを売却する場合の注意点にフォーカスしてお話ししていきます。

デリヘルを売却する際に注意しておかなければいけないことがいくつかあります。

例えば、売買益は全てを手に入れることができない、売却するならキャストが残るか残らないかで大きな論争となるケースがある、などです。

デリヘルもM&A取引はあるので、自分のお店を売却したいと思っているけどどしたらいいのか分からない、困っているという人は解説するのでぜひ参考にしてください。

風俗店のM&A取り引きをするには風俗業界の売買の知識をある程度、知っておきたいところです。

風俗店のM&Aについての基礎知識

M&A(合併・売却・買収)とは、企業間での合併や売却、買収の取引のプロセスを指しますよね。

もちろん、風俗業界においてのM&Aも意味は同じです。

風俗店でも一般的に行われているのと同じM&A取引が行われていますが少しだけ違います。

風俗店の売買とは基本的に既存店における営業権の譲渡(売買)をすることを言います。

この取引は売る側も買う側も、どちらにもメリットがある取引です。

そして近年、風営法の改正で新しいお店を出すのがとても難しくなってきましたよね。

なのでソープランドや箱ヘルなどの店舗型で営業既得権付のお店はとても欲しがられるのです。

売る側は大きな売却益が期待できるでしょう。

風俗店・デリヘルを売却するメリット

注意点をお話しする前に風俗店・デリヘルを売却するメリットについてざっくりとお話しします。

風俗店を売却すると

  1. 資金の調達:
    • 風俗店の売却により、売却代金を得ることができ、売却益を期待できます。これにより、新しいビジネスの立ち上げや他の投資などの為に資金を調達することが可能です。
  2. 経営リスクの軽減:
    • 風俗業は特に厳しい規制がありますよね。経営には様々なリスクが伴います。売却することで、経営から生じるリスクを軽減し、跡継ぎが見つかるというのも「この先どうしようか」という精神面での負担も軽減することができますよね。
  3. 事業の再編成:
    • 現在の風俗店が他の事業や業種との統合に適している場合、風俗店の売却を通じて事業を再編成することができます。これにより事業内容を最適化し、新たな成長機会を見つけることができます。
  4. 低予算でお店を手放せる:
    • 廃業して自分で色々処理するよりも、営業権を譲渡して店舗を売却した場合、什器や造作関連はそのまま買主に引き渡せるので、撤去にかかる費用を抑えることができます。

こんな感じでざっくりとメリットについて話しましたが、1番のメリットは大きく売却益でしょう。

ですが、必ずしも売却益が出るわけではありません。

デリヘル店を売却する場合の注意点

先ほどまでは店舗型のお店の話でした。

ここからは今回記事の本題であるデリヘルを売却する場合の注意点について見ていきましょう。

特に近年出店数が多いのが無店舗型のデリヘル店。

冒頭でもお話ししたように風俗のM&Aは基本的に既存店における営業権の譲渡(売買)です。

なのでもちろん無店舗型のデリヘル店でもM&A取り引きは行われます。

そして、繁盛しているデリヘル店はそのお店にブランド価値があるのでかなりの高額で売買が成立するケースもあります。

そういったメリットばかりに気を取られていると、大きな落とし穴に落ちてしまうこともあるので注意してください。

デリヘルを売却する場合の注意点:➀価値の変動

価格の変動があることを頭に入れておいてください。

デリヘルは売買だけではなく無店舗型でできますので新規出店による経営も可能です。

ですのでその価値は現状の店舗が抱えている売上・人材・会員数などによって変動します。

少し紐解いてお話しすると、毎月安定した売り上げがあってキャストとスタッフの数もしっかりと揃っている状態、そして抱えているお客の会員数も多い安定的な売り上げを持っているデリヘル店は、それだけ経営が軌道に乗っているということなので高額での売買が期待できるでしょう。

そうなると数千万円での取引も夢ではありません。

デリヘルを売却する場合の注意点:②売却益がほとんど出ないこともある

みなさん、売却する時って売却益が出ることを期待しますよね。

もちろんそれは当たり前です。

そう思って売却するのですから。

ですが、その1番欲しい売却益がほとんど出ないケースもあります。

店舗の価値というものはその時々で変化するのです。

例えば店舗型のお店なら物件の築年数も影響してきます。

それに合わせて経営状況も見られるので、必ずしも望んだ金額で売却できるかというのは難しいところでしょう。

デリヘルを売却する場合の注意点:③キャストの有無

デリヘルの場合は女の子が残る残らないが大きな争点となります。

これはある程度、引継ぎ期間のようなものを設けないと揉める原因となってしまいますのでキャストはもちろん、売買契約をする相手とも十分話し合って決めるようにしてください。

デリヘルを売却する場合の注意点:④売却益のすべてを得られるわけではない

先ほどから売買益、売買益と言ってきましたがその売買益に関しては、残念ながら発生した金額の全てが手に入るわけではありません。

売却益に対しては譲渡所得という形で課税対象になっています。

デリヘルを売却する場合の注意点:⑤競業避止義務

競業避止義務は、特定の契約や法的な関係に基づいて一方の当事者が他方との競業行為を制限する義務を負う法的な原則です。風俗営業においても、雇用契約や特定の合意書などで競業避止義務が規定されることがあります。

事業譲渡では会社法第21条によって、売り手側へ競業避止義務が課されているのをご存じでしょうか。

売却する前にこれは知っておかなければいけません。
競業避止義務というのは、売却したお店の同一市区町村および隣接市区町村内で事業譲渡したものと同じビジネスを一定期間行わないという義務のことです。

これは買い手側を保護するためにあるもので、競業避止義務の期間は原則20年間となっています。

売り手と買い手の当事者が同意して特約を定めれば、最大30年間まで延長することが可能です。

ですが、短縮する場合は期間の制限がありません。

10年や5年という期間に設定できます。

風俗営業においても、従業員や契約関係者に対して競業避止義務が課せられることがありますが、その具体的な条件や効力は契約書などで詳細に規定されるべきでしょう。

また、売却をする場合には法的アドバイザーとの相談がとても重要です。

まとめ

今回は風俗・デリヘル店のM&Aについて、その注意点にフォーカスして解説しました。お店を持ってある程度したら自店のM&Aを検討する経営者の方も多いです。というか、検討しない経営者はほとんどいないかもしれませんね。風俗業界ですから特殊です。一般的なM&Aとは少し勝手が違うところもあるので注意点についてはしっかりと把握しておいた方が良いです。大きな金額がうごきますから、後で面倒なトラブルに発展しかねません。特に競業避止義務は「自店を売ってから新しい店舗を立ち上げたい」と考えている経営者にとっては大きなリスクとなり得ます。こちらについては先にしっかりと検討し、先方とどういう契約にするのか話し合わなければいけません。ですが、難しいことも多いのでこういう契約関係については専門家に相談してしっかりとした契約を結ぶのが1番安心でしょう。